ゾディアック
2007年/アメリカ RT/2H42min
監督:デヴィッド・フィンチャー
出演:ジェイク・ギレンホール、マーク・ラファロ、クロエ・セヴィニー、ロバート・ダウニー・Jr、ほか
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新聞に風刺漫画を描いてる主人公が、殺人事件の犯人を探すためにめっちゃがんばる映画。
「セブン」と同じ監督なので観ました。1968年から1974年にかけて、サンフランシスコで実際に起こった殺人事件をもとにしているそうで、現在も未解決だそうです。
続きを読むシティ・オブ・ゴッド
2002年/ブラジル
監督:フェルナンド・メイレレス
出演:アレクサンドル・ロドリゲス、レアンドロ・フィルミノ・ダ・オラ、アリシー・ブラガ、ほか
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ブラジルの子ども任侠映画。
続きを読むアートスクール・コンフィデンシャル
2006年/アメリカ (日本未公開)
出演:マックス・ミンゲラ、ソフィア・マイルズ、ジョン・マルコヴィッチほか
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連続殺人が起こってる美大で若者たちがサクセスを目指して、悪魔に魂を売る映画。
ものすごく最悪な話。ものすごく嫌な、人間の話。その描き方が非常に巧みで、後味は悪いし最悪だけど、人間がその選択をしてしまった理由の単純さ、ひたむきさが余りにも直情的で、矛盾してるけど(べつに矛盾はしてないか)素晴らしい映画だった。
絵画や映画や彫刻などで成功を志す若者たちが、他者との比較で苦しみながら藻掻くさまは「いかにも学園青春もの~」と思った。さいしょはコメディかなーと思いながら観ていた。ダニエル・クロウズの自伝的なコメディかなーと。見事に騙された。
▼忘れたくないので感想とあらすじを書きなぐります。※観る方は読んではいけません。
続きを読む宇宙人ポール
2011年/アメリカ 原題/PAUL
監督:グレッグ・モットーラ
出演:サイモン・ペッグ、ニック・フロスト、ジェイソン・ベイトマン、シガニー・ウィーバー、ほか
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めちゃくちゃおもしろかった!!
コミケ&UFO名所巡り旅行のためアメリカに来ているイギリス人2人が、エリア51の基地から逃げてきた宇宙人・ポールとひたすら逃げる、熱い友情ロードムービー。
とにかくポールが魅力的!めっちゃかわいい!👽宇宙人好きはたまらない映画。起承転結も単純明快、安心して観られたしアメリカを一緒に旅行している気分になれた。
そしてもう笑えるシーンがたくさん。スピルバーグに映画のアドバイスしたり、息止めてる間だけ透明になれたり、シガニー・ウィーバーが出てるだけで大爆笑。主演のコンビの仲の良さも微笑ましい。ラストはちょっとホロリとしました。どうして別れは悲しいんだろう。
残りの人生であと何本映画が観られるだろう?という考え方をするとき、名作だったり価値観が変わるような哲学的な作品だったり、大きな影響がありそうなものを無意識に選択してしまっていたのかも。と少し反省。思えば恋愛映画と並んでコメディ映画はあまり観ない。反省。小難しい映画ばっかり観てる気がするので、あー、もっといろいろ観てみます。
いろんな映画への愛にあふれるオマージュが敷き詰めてあって、詳しい人はもっと楽しいんだろうな。キャンピングカーでポールのロケ地そのまま追う旅をしたい。生きる目標がひとつ増えたね!ありがとうポール!アイラブポール!
シャッター アイランド
今後の人生で観るかも知れない方は読まないことをオススメします
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2010年/アメリカ
監督:マーティン・スコセッシ
出演:レオナルド・ディカプリオ、ミシェル・ウィリアムズ、ベン・キングズレー、マーク・ラファロ、ほか
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猿の惑星・征服
1972年/アメリカ 原題:CONQUEST OF THE PLANET OF THE APES
監督:J・リー・トンプソン
出演:ロディ・マクドウォール、ドン・マレー、リカルド・モンタルバン、ほか
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シリーズ四作目。
ほとんど義務感でこのシリーズを観ており、ストーリーを知った上で観ているので残念なことに驚きや感動は無かったです。作中の設定は1991年で、前作のラストで死んだコーネリアスとジーラの子ども・シーザーが世界中で奴隷化しているゴリラとチンパンジーを焚き付けて革命を起こすという話。1991年といえども1972年の作品なので、なんていうかまぁ古いんですが、それを見るのは楽しかったです。この時代のアメリカの女性って本当に可愛いです。
あとこの作品での人間は、意図的に黒いタートルネックのファッションなど無個性さが強調されていました。ビート・ジェネレーション(ビートニクともいって、ヒッピーの元祖のような思想運動に熱中してた学生、みたいなイメージのようです)の影響もあるかも知れません。かれらはネクタイへの反発としてタートルネックだったみたいなので違うかもですが、ふわっと連想。
オリジナルシリーズの猿の惑星も残すところ「最後の猿の惑星」一作となりました。個人的には、今作はいまのところダントツで面白くありませんでした。終盤なんか殆どギャースカ言ってるだけなので、ふくらはぎを揉んだり爪を切ったり洗濯もの畳んだりしながら観れたので他の映画より効率が良かった点がいいところでした。
①猿の惑星(1968年) ←Done!
②続・猿の惑星(1970年) ←Done!
③新・猿の惑星(1971年) ←Done!
④猿の惑星・征服(1972年) ←Done!
⑤最後の猿の惑星(1973年)
⑥猿の惑星: 創世記(2011年)
⑦猿の惑星: 新世紀(2014年)
⑧猿の惑星:大戦紀(2017年公開予定)
きっと、うまくいく
2009年/インド 原題/3 IDIOTS
監督:ラージクマール・ヒラニ
出演:アーミル・カーン、R・マドハヴァン、シャルマン・ジョシ、ボーマン・イラニ、ほか
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なっげぇぇぇぇェェェェェェェェェ!!!!!
なっげえええええええええええ!!!
内容は笑いあり感動あり踊りありラブありサクセスありの大学生活物語です。あらすじはWikipediaを読んで、あなたが頭で想像したものまさにそのままです。面白いですよそりゃ。面白いです。長いです。以上です。
<メモ>
・宗教がフラットに描かれていた(分かっただけで仏教、ヒンズー、イスラム、キリストが特別な脚色なく描かれていた)。
・ネットでよくみるアメリカンジョークネタが2つあってムッ…?と思った(一方ロシアは鉛筆を使った、的なやつと名前知られてないことを利用してテストの回答用紙を紛れさせるやつ)
・インドって国土も広いし、旅行になかなか行けない層が大多数だからか、インド各地のいろんなところを移動するロードムービー的要素もあった。映画が最大の娯楽というだけある。
・長い。気軽に観始めるのではなかった。私が監督だったら90分に収めさせるけど私は監督ではないし私が監督だったらここまで売れてないので自分が辛かっただけです。
・主演の人が中学時代のM原先輩にソックリで「先輩長いっス…」とずっと語りかけてた
美しい星
2017年/日本
監督:吉田大八(原作:三島由紀夫)
出演:リリー・フランキー、亀梨和也、橋本愛、中嶋朋子、佐々木蔵之介ほか
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あ、自分、宇宙人だわ…と気づいた家族が、それぞれの使命を果たすべく色々したあと家族愛でまとまる映画。
めちゃくちゃ大好きです。めちゃくちゃ面白かったです。
まず、いままで観た吉田大八作品が大好きということで、予告編も観ずポスター以上の情報を持たないまま、期待大で観に行きました。そしてその期待を裏切られませんでした。
お父さんとこどもふたり(兄と妹)が「自分、宇宙人だわ」と気づくんですが、まぁ周りからしたら完全にきちがい扱いされる訳です。お父さんは完全にヤバイ人になるんですが、私が特にジーンときたのは橋本愛。
「ぼく金星人なんだ」と名乗る男性との出会いによって彼女も”自分は金星人である”と気づくのですが、じつはその男性の素性は嘘で、まぁけっこうなクズで、でもその男性は彼女の言葉でいうと『触媒』ということのようなのです。意味わかんないと思いますがそういうことなんです。若い女性でもあるし男性絡みなので(恋愛にほだされて盲信しているのでは…)と思ってしまうように描かれてるし結構最後までそういう描かれ方をしてる。のですが、彼女はそれを受け入れて、取り込んで、乗り越える。
こういうことって私の人生でもあったな、と思える部分。相手がついた嘘をなにか啓示のように感じ、ひたむきに信じることで自分の大切な信念を持つきっかけになったり。酷く共感して涙が出ました。
やや政治的な話のあたりが(寄生獣を彷彿とさせる感じ)低脳には若干ダルめだったり、各々の設定について説明が少なく「ム?」となるとこもあったんですが、エキセントリックな映像美、音楽の美しさ、橋本愛の美しさとキャストの演技の自然さのお陰で気になりません(亀梨くんの役者としての顔を知らなかったですが、ふつうに良かった、自然でした)。リリーフランキーはちょっとお父さん役としてどうかと思いましたが、原作では高等遊民らしいのでまぁ、それらしいのか。
恥ずかしながら原作を未読なので、読もうと思います。地球人であるお母さんが最後にお父さんを信じること、信念は向いてる方向が違っても、家族であるということ。書ききれないのですが大好きな映画になりました。6月1本目が素晴らしい映画で嬉しいです。DVD出たら買いますし、宇宙や宇宙人が好きでムーとか読んじゃうしオカルトブームの時代が好きな趣味の合う人には諸手を挙げて勧めたいです。
<メモ>
・リリーフランキーみると「トントントントン、ヒノノニトン」と頭に流れて邪魔だった
・橋本愛がほんとうに美しい、あと音楽が良かった。サントラもあるそうなので考え中です。
・とにかく、ポスターの色使いとデザイン、明朝体。好きな感じにどストライクでポスター欲しいです
・金沢で、ふたりで一生懸命UFOを呼ぶシーン、あのシーンが一番良かった
・お父さん、温暖化を防いで美しい自然を守ろう、とずっと熱弁してきたのですが、最期にネオン街を見て「美しい」と感じていた。歩いている人々、その暮らしを見て。
・最後に向かうのは皮肉にも福島県の立入禁止区域で、豊かな自然に入るわけですが。
・屋上で円盤呼ぶシーン、屋上つながりで「桐島、部活やめるってよ」を彷彿と。
・一家の台所にあった食器洗剤がウチと同じで嬉しかったです。フロッシュの重曹配合のやつです。ソーダのにおいがします。右はパンフレットです。
■公式サイトに映画と原作のちがいが解説してあり興味深かったです
■ 5月のまとめ(7本)
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すでに6月に入っていることにようやく気がつきこの文章を書いております。
5月はしごとがいそがしかったです、家に持ち帰り作業したりも結構あったですし、観る時間があっても観る気が起こらない日もわりとありました。悪いことではないと思ってるのですが。
わたしの一年間を考えますと。けっこうこれから繁忙期に入るのでさらに減るかもしれませんが、性格的に観すぎも良くないのだろうなと考えたりしますし、誰に強制されているわけでもないのでマイペースで趣味を楽しみたいと考える所存です。そして選ぶ映画も引きずる系が多いので、意識してスチャラカッと観れる映画を選んでスカッとして寝る感じにしたいです。梅雨~夏は外に出たくないほど嫌いな季節ですが、肉体も精神も願わくば健康で。
ネットレンタル進捗
下記のエントリで書いた件ですがその後如何でしょうか。如何でしょうか自分。
無料期間も含めて、借りたのは8本。そのうち有料期間に入ってから観たのは3本。ちなみに月額は2,014円なので…、単価がエライ高いですね。
使ってみて、うーん…と思う点。
①2本ずつしか借りられない
②タイムラグがある(クズなので、あーポスト行くの忘れたー。というのが多い)
③コスパ悪い(その人のライフスタイルに依ると思うのですが。)
良い点はやっぱり作品数が多いこと。「アート・スクール・コンフィデンシャル」なんて、あることに感動しました。あと、監督名とか主演名などで探せるのもいい。続編があればサジェストが出るし、観た人のレビューや点数なども参考になる。作品賞受賞、とかの経歴もわかる。
2本ずつしか借りられないので、毎回ものすごい厳選するんですね。それは楽しいといえば楽しいですが、なんていうか観たいものしか観ないっていうか、いやそれでいいんだけど、厳選しすぎてしまって「その場の気分とか勢いで借りてたタイプのもの」を観なくなってしまいます。具体的に言うと猿の惑星なんですけど。
ちなみにいま「借りたいものリスト」は56本あります。いまの視聴ペースで2本ずつ借りてたら3年くらいかかる気がします。よつばと!の最終巻とどっちが早いか勝負しますか。
現時点でのリストを書いておきます。みたことあるやつ(もう一回観たいやつ)もポイポイ放り込んでるので、全て未視聴ではないです。
DVDって、パッケージを手にとって裏の解説みたりするのもたのしかったんだなと思い知りました。店舗にないようなのだけガーッと借りてから解約しよかな…という気分になってしまっております。うーん、毎日のように観れる時間が取れたら最高にコスパ良いんだろうな。
▼いまの借りたいリスト▼
インド・オブ・ザ・デッド
原題:GO GOA GONE
2013年/インド
監督:クリシュナ・D・K・ラージ・ニディモールー
出演:サイーフ・アリー・カーン、クナール・ケームー、ヴィール・ダースー、プージャー・グプター、アーナンド・ティワーリー、ほか
Go Goa Gone (Unseen Trailer) | Saif Ali Khan, Kunal Khemu, Vir Das & Anand Tiwari
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インドのビーチリゾート・ゴアの離島でゾンビが大量発生する映画。日本の公式ツイッターがえらく捨て身だったことで、公開時話題になりました。
様々なハリウッド映画のパロディを交えた、B級中のB級ゾンビ映画なんですが。序盤からゴアに行くまであたりはかなりハイセンスというかスピード感があって、洗練されていて単純に面白かったです。音楽もよい。
登場人物の、いかにも頼りになりそうなおっさんが本当に最初から最後まで無駄なく頼りになるのです。そのチートっぷりは小学1年生における4月生まれの子のようなのです。なので大したピンチもなく、「手に汗握るハラハラドキドキ!」はありません。
「インドにゾンビがいるわけないだろ!」「何言ってんだ、グローバル化の時代だぞ!?」って喧嘩したり、「ゾンビのフリしたら意外とバレないかも!映画で観たし!」ってゾンビのフリしたり(わりと成功していた)、書ききれないけど終始コミカル。いわゆる”死亡フラグ”を意図的に試したり避けたり、という国籍問わず笑える部分が多かった。
ドラッグは良くないね…という感じのメッセージが若干伝わってきましたが、エンドロールでぐちゃぐちゃにラリってるあたり、あぁ安定のインドだね。と思いました。
ゴアってイビザ島みたいなレイブパーティが夜な夜な繰り広げられてる場所らしいのですが、ビーチもあってインドの熱海っていうか、新婚旅行の定番(熱海=新婚旅行というのは過去の話ですが)らしく、いつか行ってみたいなーと思います。個人的にはゴアの街とか、離島以外の描写がもっと観られたら楽しかったです。
最後、ゾンビと一緒に派手なカーテンコールがあってほしかったですが…残念。「アタマを空っぽにしてひとときボーっとしたいんです…」と後輩から相談を受けたら勧める映画かも知れません。
<メモ>
・最初、ふたりが観てる映画がMJのスリラーのインド版で面白かった
・よーし笑うぞー、と期待値高すぎる状態で観たのが敗因。娯楽に勝敗求めてはいけませんが…
・原題がすごく好きです。日本の配給会社のかたも原題には拘りを持ってたようで。
・踊ってくれよー。これはほんと残念。
ゴーストワールド
2001年/アメリカ
監督:テリー・ツワイゴフ(原作:ダニエル・クロウズ”GHOST WORLD")
出演:ソーラ・バーチ、スカーレット・ヨハンソン、スティーブ・ブシェミほか
好きなシーン
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女の子の依存と自立の映画。
原作より
一番といっても言い過ぎではないというか、映画を好きになるきっかけになったような映画です。少なくとも50回は観てると思う、台詞や流れる音楽も殆ど覚えてるほど。台詞も特徴的というか原作に忠実で、totally,rules,riotあたりのスラングはこの映画から学んだ(使うときないですが)。何度観ても飽きることなく、どうしてか1年に数回観たくなるときがある。そして、観るたびに違うシーンでハッとしたり、小道具や表情など細かい部分の意味に気がついたりする。
好きだと思った男性も寝た瞬間になんかやっぱり好きじゃないような気になってきて無視したりして。幼馴染と一緒に住む約束をいきなり反故にしたり、やっぱり一緒に住みたいと喚いて呆れられながら許してもらったのに、やっぱり辞めたり。人を振り回して傷つけて、ほんとに行動だけ見たら酷い女の子なんだけどこのクズっぷりは共感しないではいられないのです。ものすごい性格ねじまがってるんですが、わたしもものすごい性格ねじまがってるので自分を見ているようで随所で泣けます。とにかくコメディや人物描写、ファッションや色使いが見ていて楽しいくせに、最後は不安で終わる。
原作の漫画も持っているのですが、ソーラ・バーチとスカーレット・ヨハンソンは奇跡のキャスティングだと感動します。2人とも漫画から抜け出してきたよう。特にソーラ・バーチはこれ以上ない見た目と演技!スカーレット・ヨハンソンも、かすれた低い声が本当に可愛い。
台詞だけでなく全体の雰囲気が原作に忠実で、原作への愛と敬意が伝わります。
次に観るのはいつだろうか、そんでその時わたしは何を考えるんだろうな。観るたびに、初めて観たときの気持ちに引き戻されるというか、10年経ってもずっと変わらず好きなものって人生でそうそうないので、生きているうちはずっと宝物です。
これはメイキングから。べったり。ソーラ・バーチはいま何をしているんだろう。いまも第一線でイケイケのスカーレット・ヨハンソンをテレビや映画館で目にして、この頃のことをたのしく懐かしく思い出したりしているんだろうか。
ドニー・ダーコ
2001年/アメリカ
監督:リチャード・ケリー
出演:ジェイク・ギレンホール、ジェナ・マローン、ドリュー・バリモアほか
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冴えない感じの暗い青年が徘徊ババアやウサちゃんと出会っていろいろあってBTF的に女の子を助ける映画。
Wikipediaによると”一度では理解できない複雑な筋立てによってリバースムービーと呼ばれて話題になった”そうである。一度では理解できない複雑な筋立てでもなく(知力の関係で理解できていないだけかもしれませんが)、「リバースムービー」という表現もしっくりしない。が、内容を全然知らないで観たのでコミカルなところや青春っぽいところが意外と楽しかった。スローモーションと早送りの演出も楽しかった。
観てて、いろんな映画のオマージュが混ぜ込んであるんだろうなーという雰囲気がした。ガールフレンドと映画館に行ってホラー二本立てを観るんだけど、作品が「死霊のはらわた」と「最後の誘惑」だったり。夜の住宅街を自転車で走るシーン(明らかにE.T.ぽい)があったり。「ローズマリーの赤ちゃん」を彷彿とさせる台詞があったり。(多分これは好きだから思い出しただけですが)そのほか、観てるあいだに「ゴーストワールド」「時計じかけのオレンジ」など思い出しました。
ウサちゃんが出てくるシーンは(おや!SFホラーかな!?)と物凄くワクワクしたし、タイムマシーンについて先生が一生懸命教えてくれたり途中ものすっごい楽しい成分満載!!要素を思い出せるだけ列挙しますと、親同士のトラブルや学校内の問題、思春期の悩み、政治の話、受験、人種差別、暴力、性、道徳問題、有名な著者が児童ポルノで捕まったり、エクトプラズム出たり、酒飲んで銃ぶっ放して薬やってハロウィンパーティしたり、先生(ドリュー・バリモア)がクビになったり、神や宗教について…と年末にデパ地下で売ってるオードブルのよう。が…、結局ぜんぶ関連性が分からないというか、気持ちのやりようがいまいちもやっとしたまま終わり。あらゆるモヤモヤも解消しないままリセットされる。「恐怖」というキーワードがよく出てくるものの、それを克服したりそれに飲み込まれたりということもなく。あらゆる悩みは時間の前で全くの無意味である、という仏教思想かもとか考えてしまいました。
続編があるそうですが、観るかも知れません。観ないかも知れません。90分に収めてくれたらな…というのが感想です。
<メモ>
・クレジットのフォントがかっこよかった(下図)。ヒンズーフォント(と勝手に呼んでる)ぽくって。「破壊は創造だ」と何回か言っていたし。
・中国人の女の子のでっかいノートと盗聴は、結局主人公のこと好きだったから?なんなの?
・ドリュー・バリモアがクビになったとき「教え方が悪い」という理由だったけどその描写あった?なんなの?
・「一番美しい英単語は”地下室の扉(Cellar door)”よ」と最後に教えてくれたのって何かの伏線ではないの?なんなの?
・書いてて思ったけどあのお手紙をINした→徘徊ババアがデロリアンしてくれたってこと?飛行機関係ないの?じゃぁ帰りの飛行機でリフレインしてたやつ(男性教師の台詞)関係ないの?なんなの?
・舞台が1988年なんですが、なんで80年代にする必要があったの?なんなの?
・面白くなかったとか、つまらなくてムカついてるんじゃなくて、なんなの?と単純に疑問が多いが観直したり調べたりするほどの興味がわかないこの感じなんなのマジで?
ムーンライト
2016年/アメリカ
監督:バリー・ジェンキンス
出演:トレヴァンテ・ローズ、マハーシャラ・アリ、ジャネール・モレイほか
エグゼグティブ・プロディーサー(権利所有者)にブラッド・ピット
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いじめられっ子の半生を美しい映像で追った映画。
アカデミー賞の発表間違え事件で広く知られたのでは。私もその時知って、観るまでどんな内容なのか知らなかったのですが、映画館に行くたびに嫌というほど予告編を観せられていたのです。が、予告編を観ても(なんかスッゲェいじめられとる)位しか情報が得られず、とても楽しみな気持ちで足を運びました。
エート、一番印象に残ったのは映像の美しさ!「ドライヴ(2011年/アメリカ)」という映画におけるピンク色のような感じで、ほとんどすべてのシーンに青色が入っているんです、それが物凄く美しかったです。パステルブルー、薄いブルー、濃いブルー、エメラルドブルー、家の壁、学校のドア、お母さんの服、家の家具、リュックサック、空、海…画面全体に目が向くようになっている。
内容なのですが、なんと言ったらいいか、うまく言葉にできません。観ながら「ここで終わったら予想外すぎて面白いなー」と思ったところで終わったんです!!つまり予想外すぎたのです!
彼は世の中のマイノリティの中でもマイノリティ、そのさらにマイノリティを自ら選ぶような生き方しか出来ていなくて。いじめられっ子だし、家族も友達も信じられなくてひたすら可哀想でとても共感(誰でもこういう気持ちってあると思うので)するんです。で、映画だから最後になにか展開があるんだろうと思いますよね。少しあるんですが、悲劇の重みと釣り合う希望は最後まで描かれないまま。
それが映画の感想に悪く影響したわけではなくて、いろいろな気持ち、特に子どもの頃に感じた孤独感とか親に対する感情、他人に対する怖い気持ち、そういったものを思い出させてもらえました。とにかく美しい映像で悲しみを表現したり、明るい曲でかなしみを際立たせたり、アメリカっぽくない繊細な映画でした。
アカデミー賞だしGWだし、ということで老夫婦とか女性グループとか若いカップルとかが多かったですが、さぞかし微妙なムードになっただろうな…
<メモ>
・同行者と話していたら印象に相違があって面白かった。私は自立の映画だと感じたけれど、同行者は恋愛の映画だと印象を受けたそうだ。恋愛経験の違いだろうか。私はあのまま別れて二度と会わないと思うのだけど、逆の印象を受けた人もいるのだろう。
・相手を好きになる過程に割く説明が少なく、どのくらい好きか・どこが好きかが伝わらなくて、だからラストもそこまで悲しくなかった。
・しかし、原作があるのにそれを読んでいない時点であらゆる考察は無駄というかとにかく読めって感じなんだろうな。
・たいへん美しく素晴らしい映画だけど、「反トランプ」の意思表示に使われた一面も(大いに)あったと思う。
・白人が全然出てこないし自然豊かなので、どこの国かなと思いながら観ていたけど、最初から最後までアメリカだった。
・グニャグニャした文字の字幕(昔っぽい、手書きっぽいやつ)の映画久しぶりだった。