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監督失格

2011年/日本

監督:平野勝之

プロデュース:庵野秀明

出演:林由美香平野勝之


『監督失格』予告編

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故人である林由美香さんの、生と死についてのドキュメンタリー。

不倫という閉じた関係のなかで、監督の平野氏が撮影した膨大な動画を通して観る林由美香さんは、とても真面目で素直で、捉えどころのない孤独な女性にみえた。

監督の平野氏に対してやりきれない嫌悪感を持った。不倫してるからとかじゃない(私はそんなにモラリストではない)、単純に嫌悪した。どこがって具体的に記録しないけれど。

由美香は監督のことが好きじゃなかった。好きな瞬間なんか無かったと思う。監督は由美香が好きなことがとてもとても伝わってきたが、彼女の言動からは一度も伝わらなかった。

好きじゃない相手と一緒にいてしまう/いていられる精神構造。

つらい経験をしてきた人は他人に優しい。どんなにつらいかを知っているので、他人にそれを経験させたくないのだ。過去の自分に守ってくれる人がいたなら、という願いを実現したいという切実な我儘でもある。そういうのって本当の優しさとは違うと理解していても、それが相手の成長を阻害すると理解していても、やめられない。ヒモと暮らしてしまう風俗嬢の精神構造に近い。自傷の一種かも。そして結局は自分が守りたいのは自分なんじゃないか?というところに回帰してくるのでどんどん孤独になってゆく。

この映画からはどうしても恋愛の匂いをかぎ取れなかった。会話からは嘘の匂いしかしなかった。感じたのは、不安定であざやかで孤独な生と、死による喪失と解放。

 

<メモ>

・愚痴を言ってしまったと後悔し「メロンとどいた?」と言ってしまう優しさが哀しい。

・北海道から帰る電車のシーン。監督が謝るところ。由美香の顔(あのシーンを観て、由美香が監督を好きだと思う人はいないと思う)

・左利きなんだなぁ。

・「こどもがほしいの?」「うん」。こいつ本当スパナか何かでぶん殴りたい。

・ふつーの会話なので音声が小さい!聞き取れなくて、なんども巻き戻した。

・目が満島ひかりに似ている。なにかを諦めたことがある人間の目

・涙腺が馬鹿になったんじゃないかという位に泣いた。

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