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セブン

1995年/アメリ

監督:デヴィッド・フィンチャー

出演:ブラッド・ピットモーガン・フリーマングウィネス・パルトロウほか

 


SE7EN - Trailer - HQ - (1995)

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連続殺人が起こる街で、刑事ふたりが捜査していくうち事件そのものに巻き込まれていく一週間の話。なんで今まで観てなかったんでしょう…最高に素晴らしかった。

暗い話なんだけどもアクションシーンもあり、ミステリアスな要素もあれば笑いを誘う要素もある。カメラワークも息を呑むものだった。ストーリーは勿論なんですが、最初のタイトルクレジットや、画面そのものが滅法かっこいい。「銀残し」と呼ばれる技法(メモ:wiki)が使われてるそうで、全体がとにかく暗いうえに7日間ずっと雨が降っている。光が差すシーンは2回くらいしかない。イカす。三十路なのに「かっこいい」「イカす」としか言葉が降りてこない低脳が悔しくてなりません。

ブラピ演じるミルズ刑事の奥さん役、グウィネス・パルトロウモーガン・フリーマンと二人で話すシーンが心に残った。あのシーンの奥さんの演技は最高だった。「I hate this city.」の台詞は、この映画全体のテーマである”七つの大罪”が産み落とされる煉獄を暗喩しているのだと思う。ラストも凄惨で救いようもない展開。「都会の無関心」というテーマが何度か見え隠れしていたこの映画において、それでは果たして家族やパートナーにどれだけ関心を持てていたか?という問いかけが頭に浮かんだりした。ハッピーエンドにしたがるアメリカ人がよくやった!という思い。この結末だからこそこの映画は完成していると感じる。

ラストは二通り作ってたみたいなんですが、監督のデヴィッド・フィンチャーには「観た人の心に傷を残したい」という強い気持ちがあり、このラストになったそう。デヴィッド・フィンチャーに会う機会があったら、ちゃんと傷がつきましたよ、と固く手を握りしめて言いたい。

この監督はエイリアン3のだめっぷりで「もうハリウッドでは映画が撮れない」とすら言われていたそうなんですが、ブラピの強い後押しのおかげで今作のオファーを受け、その後ファイト・クラブソーシャル・ネットワーク、言わずもがなのゴーン・ガールなど数々の素晴らしい作品を世に送り出せたそうな。ブラピえらいね。ブラピすごい。ということでブラピ好きになってしまった。出演作を観直していきたい。

1995年というと先日観た「ビフォア・サンライズ」と同年に世に出ているのか。記録することはいいことだ。

<メモ>

・ずっと雨だったり残酷なシーンがあったりなど、よくできたな…と思わずにいられない。

・自分が9歳のときにこんな映画が世界にあったなんて。でも9歳ではなく、いま観られて良かった。

・華のある俳優のパワーは凄い。ブラピまつり開催しようと決意した。

 

▼町山先生のおかげで二度三度味わえる映画。


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