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美しい星

2017年/日本

監督:吉田大八(原作:三島由紀夫

出演:リリー・フランキー亀梨和也橋本愛中嶋朋子佐々木蔵之介ほか

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あ、自分、宇宙人だわ…と気づいた家族が、それぞれの使命を果たすべく色々したあと家族愛でまとまる映画。

めちゃくちゃ大好きです。めちゃくちゃ面白かったです。

まず、いままで観た吉田大八作品が大好きということで、予告編も観ずポスター以上の情報を持たないまま、期待大で観に行きました。そしてその期待を裏切られませんでした。

お父さんとこどもふたり(兄と妹)が「自分、宇宙人だわ」と気づくんですが、まぁ周りからしたら完全にきちがい扱いされる訳です。お父さんは完全にヤバイ人になるんですが、私が特にジーンときたのは橋本愛

「ぼく金星人なんだ」と名乗る男性との出会いによって彼女も”自分は金星人である”と気づくのですが、じつはその男性の素性は嘘で、まぁけっこうなクズで、でもその男性は彼女の言葉でいうと『触媒』ということのようなのです。意味わかんないと思いますがそういうことなんです。若い女性でもあるし男性絡みなので(恋愛にほだされて盲信しているのでは…)と思ってしまうように描かれてるし結構最後までそういう描かれ方をしてる。のですが、彼女はそれを受け入れて、取り込んで、乗り越える。

こういうことって私の人生でもあったな、と思える部分。相手がついた嘘をなにか啓示のように感じ、ひたむきに信じることで自分の大切な信念を持つきっかけになったり。酷く共感して涙が出ました。

やや政治的な話のあたりが(寄生獣を彷彿とさせる感じ)低脳には若干ダルめだったり、各々の設定について説明が少なく「ム?」となるとこもあったんですが、エキセントリックな映像美、音楽の美しさ、橋本愛の美しさとキャストの演技の自然さのお陰で気になりません(亀梨くんの役者としての顔を知らなかったですが、ふつうに良かった、自然でした)。リリーフランキーはちょっとお父さん役としてどうかと思いましたが、原作では高等遊民らしいのでまぁ、それらしいのか。

恥ずかしながら原作を未読なので、読もうと思います。地球人であるお母さんが最後にお父さんを信じること、信念は向いてる方向が違っても、家族であるということ。書ききれないのですが大好きな映画になりました。6月1本目が素晴らしい映画で嬉しいです。DVD出たら買いますし、宇宙や宇宙人が好きでムーとか読んじゃうしオカルトブームの時代が好きな趣味の合う人には諸手を挙げて勧めたいです。

<メモ>

リリーフランキーみると「トントントントン、ヒノノニトン」と頭に流れて邪魔だった

橋本愛がほんとうに美しい、あと音楽が良かった。サントラもあるそうなので考え中です。

・とにかく、ポスターの色使いとデザイン、明朝体。好きな感じにどストライクでポスター欲しいです

・金沢で、ふたりで一生懸命UFOを呼ぶシーン、あのシーンが一番良かった

・お父さん、温暖化を防いで美しい自然を守ろう、とずっと熱弁してきたのですが、最期にネオン街を見て「美しい」と感じていた。歩いている人々、その暮らしを見て。

・最後に向かうのは皮肉にも福島県の立入禁止区域で、豊かな自然に入るわけですが。

・屋上で円盤呼ぶシーン、屋上つながりで「桐島、部活やめるってよ」を彷彿と。

・一家の台所にあった食器洗剤がウチと同じで嬉しかったです。フロッシュの重曹配合のやつです。ソーダのにおいがします。右はパンフレットです。

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■公式サイトに映画と原作のちがいが解説してあり興味深かったです

映画『美しい星』公式サイト