見積もり加算

観た映画を記録するのみ。感想休止中。

タイム・オブ・ザ・ウルフ

2003年/フランス・ドイツ・オーストリア 109min

監督:ミヒャエル・ハネケ

出演:イザベル・ユペール、ベアトリス・ダル、アナイス・ドゥムースティエ、パトリス・シェロー、モーリス・ベニシューほか

f:id:hidali_kiki:20180218215000j:plain

ーーーーーーーーー

極限状態におかれた人間の集団を描いた映画。シッチェス国際映画祭最優秀脚本賞受賞。『ピアニスト』で処女こじらせたおばさんと、『隠された記憶』でブシャーってなるおじさん(マジッド)がいい人役で出てくる。

 始まった瞬間人が死ぬ、飢饉、水と食料がない、母親がパニック、という状況が揃えば『ハネケだしなぁ…』とさまざまな最悪の終わり方(共食いとか、殺し合いとか、カンビュセスの籤みたいな状況とか)を想像しながら観ていたのですが。ミヒャエル・ハネケ監督の作品にしては、わりと救いが無くはない終わり方!!じゃっかん救いが感じられなくはない終わり方!!でした。

DVDにインタビューが収録されてて、まぁ要約すると「観た人が解釈して欲しい・説明したくない」とのこと。本数観るうちに何となく分かってきたけど、完全に感覚でものを創る派な方ですね。

観終わって自分なりに解釈した結果、「遠くの家族より近くの他人」的なことがひとつ、テーマとしてあったんじゃないかなと感じた。なにを大切にして生きるか(最期の瞬間まで)というのは人によって違って、価値は等しく有るべきで。子どもや老人であっても軽視したり重視し過ぎたりしてはいけない。親子という関係性があることも、いったん脇に置くべきで、『家族だから辛さも喜びも所有(共有)できる』というのは傲慢というか、勘違いというか、思い上がりなのだろう。すべての価値は等しくなければならない(等しく無価値でなくてはならない)、といった思いが浮かんできた。

息子が、あの夜から一言も喋らない点が胸を抉られるようだった。彼と姉が本当に心配だった。

▼おばさんが出てる映画

 


▼おじさんが出てる映画