MON-ZEN

1999年/ドイツ 英題:Enlightenment guaranteed 108min

監督:ドーリス・デリエ

出演:ウーヴェ・オクセンクネヒト、グスタフ=ペーター・ヴェーラーほか

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ウーヴェとグスタフの中年兄弟が日本に滞在しながらドタバタする話。意外なラストも含めてかなり面白い。全体の半分くらいが兄ウーヴェが持っているハンディカムの映像のため三半規管の弱い方は酔うかもしれない。

中年のドイツ人兄弟。兄ウーヴェはキッチン・セールスマン。弟グスタフは小さい頃より兄へのコンプレックスに悩まされ続ける風水カウンセラー。ある日、ウーヴェは妻子に逃げられ、グスタフの家に転がり込んできた。グスタフはそんな兄をよそに、長年の夢である禅寺への旅の準備をしていた。いわゆるミドルエイジ・クライシスにはまってしまっていたウーヴェは、人生の意味を問うため、グスタフの旅行に強引に同行した。しかし日本へ到着したものの、“MON-ZEN”に行くはずの兄弟は東京で遊びすぎていきなり無一文となってしまう。

 2人が日本に来るまでのドイツでのドタバタがかなり面白い。特に兄の家の描き方が(少ししか描かれてないながら)ああ、こりゃ奥さんキレますわというのに納得させるに十分で素晴らしかったし腹抱えて笑いながら観た。

日本に来てからも、自分は『彼らが撮った日本』の風景が非常に興味深かった。あれ多分殆どゲリラ撮影っていうか、許可貰ってても映画だとは言ってないんじゃないかなと思うほど被写体が自然な日本人。特に自分は90年代後半の世紀末ムードに溢れていた時代が凄く好きで、あれがそのまま切り取られているというのは貴重だなと思った。

観ていてどうしても頭に浮かんでくるのは「ロスト・イン・トランスレーション」なのだけど、本作はあちらより無骨ながら余計な飾りもなくて、まぁその分オシャレでもないんだけど、率直に言うと日本人からすれば「MON-ZEN」は気持ちよく観られた。(ロスト・イン・トランスレーションが嫌いというのとはまた別の話です、あちらもそこそこ好きです)

ラストも、2人のあいだに一瞬『ずっと探してた目印』が見えるんだけど、彼らはべつに探しもせず当たり前みたいに野宿しはじめる。あれが物凄く良かった、けど、おいおいこれからどうするんだ、という不安感を持った、その瞬間にお経が流れてくるので、ほっこりスッキリした終り方では決してないんだけどそこも良かった。

いっこだけモヤモヤするのだけど、彼らはホテルを見失ってからあんまり本気で探そうとしてないんですよね、あれが気になりました。なんか、目印のこと歩いてる人に言えばすぐゴールしそうだったけど、尋ねないがゆえにどんどん離れてしまってて。なんか酔っ払ってるのもあるんだろうけど、他人事っぽいっていうか、何なんだいという感じはしました。歩く方向をほんのちょっと間違えただけでもう引き返せない場所まで(というほどのこともない距離だけど、心情的には)転落していって最後あの感じなんで、まぁでも本人がいいって言ってるんならいっかって感じで、個人的には『ブロークダウン・パレス』が鑑賞後に浮かびました。で、ブロークダウン・パレスは大好きなんで、いままた観たいなーと思ってるとこです。おわり。