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第9地区

2009年/アメリカ・南アフリカ共和国ニュージーランド

監督:ニール・ブロムカンプ

出演:シャールト・コプリー、デヴィッド・ジェームズ、ヴァネッサ・ハイウッド、ほか


District 9 - Official Trailer

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ヨハネスブルグのスラム街に20年間住む宇宙人に立ち退きを求める映画。

めちゃくちゃ、めちゃくちゃおもしろかった!!!!!!!!!!!!

法に則って立ち退きをお願いして回るんだけど(書類にサインを求めたりして面白い)、相手は宇宙人なのでまぁ武力行使に出ちゃうんですが。ある宇宙人が、家に帰るために20年かけて作ってた液体が顔にかかってしまって病気になってしまう。という人が主人公。アクションありSFあり社会風刺あり親子愛あり夫婦愛あり悲しみあり笑いあり涙あり、ラストも期待に満ちた感じで、たまらなく面白かった。

アフリカっぽい音楽が随所で流れているのに加えて、POVだったりモキュメンタリーの手法で、ニュース映像やインタビュー映像がチャカチャカ混じってテンポが良い。2時間程度ある映画なんだけどダレることもなく体感は1時間ちょっと位でした。

とにかく、宇宙人がヨハネスブルグに溶け込みすぎてて大変コミカル。いつかアフリカへ行ってみたいと思っているので、単純にヨハネスブルグの光景が(すべて現実そのままとは思わないが)見られるだけで楽しく、海外旅行に来たみたいな好奇心を刺激される。宇宙人がお洋服着てたり。アフリカ人が宇宙人相手に商売してたり、宇宙人が武器と引き換えに猫缶100個貰ってたり(値切られたり)。堂々とした差別はもはや単なる区別になり、スラム街の外がむしろ下品に見えるように描かれていた。というか序盤のあたりですでに大多数は宇宙人側に感情移入するよう作られていると感じました。

いろんなサイトに解説が書いてあるので、浅学ながら舞台がヨハネスブルグであることに意味がある映画なのだろうと深く感じました。ほんとーに面白かったのでSF好きには全身全霊オススメです。トランスフォーマーみたいなロボも出てくるのでお子様もきっと2時間お楽しみ頂けると思います。わたしのように宇宙映画が好きなんだ!という人にも文句なしにオススメします。大きな宇宙船の美しい映像が楽しめます。映画オブ映画、ザッツ・エンターテイメントでした。 ※個人の感想です。

<メモ>

逆探知してる嫁に「お義父さんはウソをついてるんだ!」という身勝手な人間と、「3年後だ、必ず迎えに来る。信じろ」という宇宙人。きっと来てくれるんだろうな。

・グロいシーンもあるんだけど、これ以上ムリ~という直前でカメラがブレたりするので大丈夫

・作中で宇宙人は「エビ」と呼ばれてるんだけど、どっちかというと虫(昆虫)っぽいような。

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ジャッキー/ファーストレディ 最後の宿命

2016年/アメリカ・チリ・フランス合作

監督:パブロ・ラライン(制作にダーレン・アロノフスキー

出演:ナタリー・ポートマンピーター・サースガード、グレダ・ガーウィグほか


JACKIE | OFFICIAL TRAILER | FOX Searchlight

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ケネディ大統領が暗殺されたあと、ナタリー・ポートマン扮するファーストレディ・ジャクリーンが情緒不安定になりながらいろいろ対応する映画。

前情報をなにも知らない状態で観に行ったので、ジャッキーの半生を綴る映画なのかと思っていたら、本当にケネディ大統領が暗殺されたあとの数日?くらいの激震を描いたストーリーだった。実際の映像を交えながら映画はすすみ、わたしは学も無く歴史に詳しくないので暗殺された背景や政治的事情を知らず、知識のあるひとはもっと納得しながら観れたんだろうな、と恥ずかしい気持に…。

それにしてもナタリー・ポートマンは情緒不安定な役柄がとてもいいですね。かなしい顔のとき、眉毛がほんとに悲しそうにUの字になるし、それでいて気の強さ、女性的なご乱心っぷりがよく伝わってきた。

実際のジャクリーン・ケネディがどういう人生を送ったのか気になり、事件についてちょっと調べてみようかなと思います。ダーレン・アロノフスキーナタリー・ポートマンと合うんだろうか、キャスティングの権利を持っていたかは知らないけど。

<メモ>

・当たり前だけど大統領が死んだら、ホワイトハウスを追われるんだなぁ。住ませてあげたらいいのに。

・お子たちの学費のために家財を売り払う、というシーンがあったけどそんなに生活が苦しくなることがあるんだろうか。政府に一生涯保証されそうだけども、この映画によるとリンカーン大統領の奥さんも生活苦に陥ったそうだが、そこの仕組みもよくわからない。

ホワイトハウスを去るまえに、高価なお酒を飲んだり薬を飲んだりタバコを吸ったりしながら、これから処分するであろう豪華絢爛なドレスや宝飾品やハイヒールをとっかえひっかえ着たり脱いだりするシーンがあり、胸が一番傷んだのはそこだった

・自分の無知さが嫌になります。

ラ・ラ・ランド(再)

2016年/アメリカ

監督:デイミアン・チャゼル

出演:エマ・ストーンライアン・ゴズリング

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また観てきました。

ラストを知っているだけに、そして毎朝サントラを聴いている身としては、いろんなシーンで(この2人が…)と思うと涙がこみ上げてきて最初から鼻汁グズグズだったんだけど、映画館のあちこちからグズグズ聴こえてきたので何度も観ているひと多かったんだろうと思います。

席が前の方で視線を動かすのがしんどかったので字幕を追わずに観ていたら思ったのですが、特に主役の2人のシーンは言い回しや会話が映画っぽくなく、かなり自然。何度も何度も撮ったんだろうかと想像。

メタミュージカルというか、ミュージカリック(という単語があるのかしらないけどしっくりくる)な映画。二度観るともはや鬱映画に思えてきた、とトイレで鏡を観ながら映画館を後にしたのであった。そしてわたしと同じような表情の女性を見ながら、わたしだけじゃないんだ。と感じられること、いろんな辛い複雑なことをひととき忘れたり、または過去の記憶が想起されて感傷的になったりすること、それでも最後のシーンを思い出して家路につくこと。はぁ面白かった、明日からもがんばろう、と思えること。面白い/面白くない、出来が良い/悪いなんかどうでもよく、観た人の現実に間接的にでも影響すること。映画の存在価値ってこうことだと思える。

<メモ>

・映画館で手をにぎるシーン(映画館で観ている人間にとってはクスッとくるシーンだ)を描いたり、それが行き過ぎてキスする直前に盛大なブザーが鳴ってシラけたり、シリアスな喧嘩シーンで火災報知器が鳴ったり。夜景を見ながら「全然良くない」「そうね、アタシもっといい景色知ってるし」と会話したり。「そうはしませんよ」という姿勢が伝わる。

・「ララランド」はLAの俗語だそうだ、アタシは女優になるのよ!みたいな子を「she lives in LA-LA-LAND」とかいう使い方らしい。

・天井のシミを眺めるシーン、やっぱり胸にグサッとくる

・やっぱり一回目は超えられない。

 

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ドッグヴィル

2003年/デンマーク

監督:ラース・フォン・トリアー

出演:ニコール・キッドマンポール・ベタニーほか


Dogville Trailer

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閉塞的な町でニコール・キッドマンが酷い目に遭う映画。

ものすごく熱心なかたがWikipediaに書いてくれているっぽいのだが、いわく”人間の「本性」を無視した観念的な道徳の無意味さを描く。続編の『マンダレイ』(2005)、『Washington』(2009予定 → 無期限延期)とあわせて「機会の土地-アメリカ」三部作をなすとされている”そうです。

約3時間という長い映画だけど、お芝居のように9章に分かれおり、これからの展開をわかりやすく説明してくれる。「ダンサー・イン・ザ・ダーク」の監督なのだけど、あぁダンサー・イン・ザ・ダークっぽいな、と思う箇所がしばしばあった。また、全体通してナレーションがあり、登場人物(多い)の感情や主人公の思考、場のムードを説明してくれるので「いまのシーンはなんだい?」とあまり深く考えずに「ナレーションのひとが言ってるからそうなんだろうな」と深く邪推せずに観ることができた。

舞台のようにだだっぴろいところで展開する物語で、家や通りなどはすべて白線で弾いて表してあり、ドアの開閉などはパントマイムで表現している。どんな建物なのか、どんなドアなのか、どんな犬なのか、純粋に想像力を掻き立てられた。

この主人公の思考回路は自分と似ている部分が多々あった(映画だから誰でもそうなんだろうと思うけど)。労働ということについて、好意や善悪について、ちょっと深く考えてしまい落ち込んだ気分になった。

舞台となっているドッグヴィルの簡素な舞台、スタイリッシュというかお洒落でクリアファイルとかあったらほしいと思いました。お芝居好き、舞台演劇好きには単純にシチュエーションが堪らないと思います。ラストは個人的にスカッとしました。

眠かったけど途中でやめるわけにもいかなくて。3時間はちょっとツライです。でもいい映画、好きな部類の映画でした。

<メモ>

・この町は民主主義を捨てたといいながら、あらゆることを投票で。また、独立記念日はお祝いしたり、権力には無抵抗に従ったり、ちょっと謎だったけど「機会の土地アメリカ三部作」との記述をみて納得。

・7つの人形を壊すシーンと、7人の子どもを殺すシーン、主人公の決断だと思った。善悪はともかく、物事を良くする(解決する=納得する)ために必要なシークエンスだった。

・「何を求めているかを知り、それに応える それが愛だ」

・わたしに何も求めないからあなたが好きなの。

・数々の写真と、デビッド・ボウイの歌、あのエンドロールは対位ですね。

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ファニーゲーム U.S.A.

2007年/アメリカ(主導)

監督:ミヒャエル・ハネケ

出演:マイケル・ピット、ブラディ・コーベット、ナオミ・ワッツティム・ロス、デヴォン・ギアハート


Funny Games Trailer

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たまごを快くあげなかったから殺される映画。

観たことあるやつです。大好きなので再び観ました。この映画はとにかく始まり方と終わり方が好きです。色づかいも本当に美しくて、とくに白が美しい。

なんの罪もない無抵抗の家族が理不尽に殺されるという内容のため、よく「イライラする」「後味が悪い」とレビューされている映画なんだけど、私はどちらかというとスカッとする。最高にスカッとするのはナオミ・ワッツが死ぬシーン、あの「どーでもよさ」!初めて観たときは感動した。あと服を脱がしたあと、すぐ着ていいよ、と言うとこ。あの無関心さもいたく感動した。

なんと表現したらいいのか適切な表現が浮かびませんが、観客が映画に求める「映画性」のようなもの、予定調和のようなもの、その感情のネガティブな面をほんとーに嫌という程知らしめてくれる作品。繰り返し繰り返し、これは映画なんだ、と観ている私に語りかけてくる(比喩じゃなくて)。望まない展開は巻き戻してやり直したりする(比喩じゃなくて)。このメタ視点については終盤、ヨットで2人がちょっとだけ話し合ってる。

 

子どもが撃たれたあとの長回しナオミ・ワッツがピョンピョンしながら台所まで行くシーン、あそこの絶望感は本当に凄い。映画的な悲しみの表現はないし遺体に近寄ろうともしない。しかし、ほんと長いなーと思って測ったら9分33秒あった。あのシーンでTV消したの何でだろ。実際自分があの立場だったら、やっぱり気に障って消すんだろうか。

この映画は「ファニーゲーム(1997年/オーストリア)」を10年後に全く同じ脚本でリメイクしたもので(もともとのオーストリア版を観てないんだけど)、わたしはずっとこの映画はハリウッド映画に対するアイロニーなんだろうと解釈していた。だからハリウッド・リメイクしたんだろうと。無音のタイトルクレジットで始まり、無音のエンドロールで終わるこの映画は、”いわゆるハリウッド映画”に対するアンチテーゼだと思っていた。もちろんそれはあるだろうけど、今回観ていたら「国」を表現した映画なんじゃなかろうかという気持ちも浮かんだ。無抵抗なものに礼儀正しく喧嘩をふっかけて、そっちが先に手ぇ出したんじゃん、と言い出して侵略する国家。敬意を払うことで最大の侮辱を表しながら、自分は全く悪くないので、ひとつ征服したらまた次の国へ。いやー歴史に詳しくないけど私だったらタイトルに入れるかもなぁ。親切にドアを開けてはいけないですね。

全く同じ内容だそうなのですが、オリジナル版も観てみます。しかし、全く同じ脚本でリメイクできたのって凄いストイックですよね。(どっちを観ても同じですというレビューをよくみる。)いろんな大人の事情でアレコレされなくて本当によかったです。

 

<メモ>

・最初のドライブのシーン。本当に最高に美しい!

・割れた卵は3つ

・落ち着け、深呼吸しろ、服を脱げ、服を着ろ…2人に言われたことを(ニュアンス違えど)夫婦で言い合うことについて考えるなど。

・とにかくこの子ども役のデヴォン・ギアハートの演技が凄いんですよ。顔もかわいいし。1995年うまれだそうで、今むちゃくちゃカッコイイです。他の映画観たことないけど。

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