メメント(再)
2000年/アメリカ 113min
監督:クリストファー・ノーラン
出演:ガイ・ピアース、ジョー・パントリアーノ、キャリー=アン・モスほか
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すぐ忘れるのでめっちゃメモとる映画。最近、町山智浩さんの解説音声を聞いて首がもげるほど「なるほど~」と思ったので再度鑑賞。
言わずと知れた感じだと思うのですが、映画はオチの部分から始まってどんどん時系列が逆にすすんで行くのです。で、途中で折り返して、あーうまく説明できないのですが変わった構成の映画で、「もう一回観たいな」と思ってたところ丁度観たい人が近くにいたためレンタルし一緒に鑑賞。
すごい当たり前のこと言うんですけど、まぁ面白いんですけど、一回目は超えられないですね。例え意味分かってなくても一回目の『観たァ!』という強烈な印象は、どんなに内容を仔細に分かってても二度と得られないです。
あと二回目ならではの感想としては『主人公の滑稽さがツボってヤバい』です。かわいそ面白いというか、こわ面白いというか、ちょっと笑いが出てしまう感覚があります。これは狙ったものだと思います。だいたいてめぇがてめぇに困らされてるのに『10分前、俺は何をした?(キリッ)』みたいなハードボイルド感がとにかくツボってヤバいです。
DVDには特典として監督のインタビュー、あと『ちゃんとした時系列順』に再生するメニューがあって、これ観たらまぁストンと分かるけど、始めからこれだと面白くないんですよね。映画って凄いですよね。この映画はとにかく始まり方が(ポラロイドぱたぱた)がワクワクさせるものがあるし、あれで持ってかれますよね。ね、ね、って誰に語りかけているのか。
ところで最近一時間以上運転するときに、町山智浩さんの『映画ムダ話』という解説音声(有料ですが)をよく買って聞いてるのです。メメントの解説も聞きましたが、ものすごくものすごく深い映画なんだなと思って驚きました。もしかしたら奥さんがレイプされてる記憶も捏造かも知れない、それを示唆しているのが何度も読んでる本で…と言う下り。たしかに『なんども同じ本を読む嫁』を出す必然性というか繋がりが、全くないのですよね。彼女の性格を表したいならそんな方法じゃなくてもいいしさ。なんか、実は夫婦すれ違ってたのかなと思わせるものが。
といってもこれはソレで食ってるプロによる解説を聞いたから「めっちゃなるほど~!」と思っただけで、映画はそこまで深読みさせる感じに満ちてない(なんか色あいが明るいのと、最後のパシッとハマる感覚が強すぎて他の小さいモヤモヤまで注意がいかない)ので、そこまで深読みしてくれる鑑賞者はなかなか居ないのかもなと思いました。まぁ私見ですけど。
クリストファー・ノーラン監督の弟が書いた短編小説がもとになっているそうで、ていうかこの映画が公開されたときクリストファー・ノーランは30歳ということで、なんかとにかく天才兄弟に乾杯、という感じです。
▼以前の鑑賞記録
で、たぶん前も書いてるんですけど私あんまりこのガイ・ピアースの顔が好きじゃないんですね。たぶん好きだったらもっとこの映画好きなんだと思います。