2010年
原題/2010: The Year We Make Contact
監督:ピーター・ハイアムズ
2010: The Year We Make Contact - Trailer
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2001年宇宙の旅を観た人が観ていない確率はかなり高いと思う、私もそのひとりだったわけだがフト思い立って観てみた。
ディスカバリー号に入るときのドキドキわくわく感はすごかった!まるで博物館に一緒に入らせてもらえたような。HALを殺すシーンで泣いた10代の私はHALを修復するシーンで泣く30代になれた。
SALの「私は夢を見ますか?」の質問に「知的に高度だから見るよ」と返した博士は、HALにはちゃんと向き合って「わからない」と言ってあげています。噓をつきたくない愛がそこにある。そしてHALはボーマンに会える。
HAL9000が好きな人はそれだけで単純に楽しいと思う。
<メモ>
・看護婦が読んでるTIME誌の表紙、アメリカVSソ連で、それぞれの大統領がキューブリックとクラークだった!公式レベルでいじられている。
桐島、部活やめるってよ
2012年/日本
監督:吉田大八
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よくわかんなかったねー、で終わりそうな映画だけど大変素晴らしかったそして私は好きである。実際「よくわかんなかったねー」と思ったんだけど、見終わってかみ砕いているうちにこの映画の怖ろしさに支配されてきている。
原作は未読だがタイトルも素晴らしいじゃないか?「桐島、部活やめるってよ」。AさんがBさんに聞いたことをCさんに言っている、という実態のなさ。うわさでありながら「やめるらしいよ」でなく「やめるってよ」。やめることは確定している、うわさなのに。このタイトルだけで深く考えるものがあった。
ラ・ラ・ランド
2016年/アメリカ
監督:デイミアン・チャゼル
La La Land (2016 Movie) Official Trailer – 'Dreamers'
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終始、一貫して小気味良いテンポとカメラワーク、そして音楽!
長い映画だが一度も退屈を感じなかった。今年の始まり(といっても2月も終わりだが)をこんな素晴らしい映画で迎えられたことに感謝である。
んで、サントラも買ったのだが、イヤホンで聞きながら歩いていると普通に踊りだしているものだから困っている。
<メモ>
・最初のカメラワークよ!
・靴を履き替えるところ最高。
■町山先生大いに語る
カリガリ博士
1919年/ドイツ
監督:ロベルト・ウイーネ
出演:コンラート・ファイト、ヴェルナー・クラウス、リル・ダゴファー
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サイレント映画。パブリックドメインのため、youtubeで観ました。
建物、道、服装、すべてが倒錯的で歪んでいる。主人公(語り部)の精神状態を表しているというか、回想だからぐちゃぐちゃなんだろうな、ドアが歪んでるのとか遠近感崩れる感じがすごくいいです。好きです。
そしてこれを観ながら、この世界観みたことある。何だったかな…ともやもやしていた。ティム・バートンはだいたいこんな感じだからそれかしら。と諦めかけて思い出した。夢野久作の「ドグラ・マグラ」。
わたしがドグラ・マグラを読んだときあたまの中で想像していた景色はまったくこんな感じだった。白黒だったし、うすもやがかかっていた。中学生のときだ。
調べたところ夢野久作の日記で「カリガリ博士みてきた」と記述があるらしい。根暗が時空を超えてつながった!
最後が物議をかもしている映画なわけですが、ドグラ・マグラっぽいと書いただけでまぁ、ネタバレになりますね。