監督失格
2011年/日本
監督:平野勝之
プロデュース:庵野秀明
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故人である林由美香さんの、生と死についてのドキュメンタリー。
閉じた関係のなかで、監督の平野氏が撮影した膨大な動画を通して観る林由美香さんは、とても真面目で素直で、捉えどころのない孤独な女性にみえた。
由美香は監督のことが好きな瞬間なんか無かったと思う。監督は由美香が好きなことがとてもとても伝わってきたが、彼女の言動からは一度も伝わらなかった。
この映画からはどうしても恋愛の匂いをかぎ取れなかった。会話からは嘘の匂いしかしなかった。感じたのは、林由美香さんの不安定であざやかで孤独な生と、死による喪失と解放。
<メモ>
・愚痴を言ってしまったと後悔し「メロンとどいた?」と言ってしまう優しさが哀しい。
・北海道から帰る電車のシーン。監督が謝るところ。由美香の顔(あのシーンを観て、由美香が監督を好きだと思う人はいないと思う)