5時から7時までのクレオ
1962年/フランス・イタリア 90min
監督:アニエス・ヴァルダ
出演:コリーヌ・マルシャン、アントワーヌ・ブルセイエ、ドミニク・ダヴレー、ドロテ・ブランほか(ジャン=リュック・ゴダール、アンナ・カリーナ、エディ・コンスタンティーヌ、ジャン=クロード・ブリアリがカメオ出演)
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癌の検査結果を待つクレオの5時から7時までをほぼオンタイムで描いた映画。
クレオ(コリーヌ・マルシャン)は、ポップシンガーである。クレオは、生体組織診断の結果を待つ間、自分は癌なのではないかという恐怖を抱きながら、パリの街中をさまよう。7時に医師と会う心の準備をしながら、死に取り組もうとしつつ、何人かの友だちや見知らぬ人と出逢う。
アニエス・ヴァルダ監督作なので鑑賞。
最初に占いをするシーンだけカラー映像で、あとは全部モノクロ映画。最初のシーンが象徴的かつ単純にオシャレ!
クレオは5時から7時までの2時間で、恐怖を克服したり自分を客観的に見つめたりする、している、のだろうけれども、クレオはこの映画であまりにも情緒的で迷惑で我儘な女性に描かれているような印象を受けた(クレオを好きになれなかった)のであまり心の晴れる作品ではなかった。「幸福」のストーリーが異常なまでの女性蔑視を通してフェミニズムが描かれる意地悪さに溢れていた事を思うと、単純に「乗り越えた」「成長した」と思えない何かがある。っていうか結果を聞いた時のクレオが一気に老けて見え、我儘ほうだいのクレオが生を謳歌しているように思えた。友達の彼氏の家で観たコントみたいなやつ、あれを観たクレオはしんどかっただろうなと思う。
ただ当時のパリの様子、人々のいとなみが観られたのはほんとに貴重!芸術先進国だなという眩しいようなきもちで観た。全編カラーじゃないのは何か意図があるのかお金の問題なのか、意図があるとしたら何だろうと考え込んでしまいそうだ。町並みや服装をカラーで観たかった。