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観た映画を記録するのみ。感想休止中。

■1年間のまとめと、面白かった映画(2017年2月からの101本)

2017年2月~2018年2月までに観た映画は101作品。この1年間はたぶん人生で一番映画を観た1年間でした。

 

 思ったことなど

 もともと映画は好きでしたが、「たくさんの映画を観る」というよりは「好きな映画を何度も観る」タイプで、つまりひとつの事をあらかた考え尽くすまで次の考え事に進めないタイプの脳なのだと思いますが、だから結構「たくさんの映画を観る」と決めた事は脳のよい訓練になったような気もします。『考えをいったん区切る』『固執しすぎない』というか。一日に何本も観るなんて出来っこないと思ってましたが、今はわりと続けて観ることができます。いちいち引きずっていては続けて観られないのです。

まぁ、今も衝撃的な映画を観たら何日間も引きずりますし、どっちが良い悪いという事ではないのですが、そういう副次的効果があったのは小さくない学びでした。これは継続によって行動への影響がありそうだと実感しています(ただ忘れるのも早くなるので、ホントどっちが良い悪いではない)。

 また、これまで自分にとって映画というのは『ある物語を通して自分自身を見つめ直したりするもの』という、内省というかナルチシズムの養分のような役割が多くを占めていたのですが、この1年で色んな映画を観るなかで「事件や史実への風刺・批判を世に投げかける映画」が非常に多いことを学びました。

『絶対的な一個人として』ではなくて『集団のなかの一個人として』、ある問題について自分はどういう考えを持ったのか?という事を考える機会が多かったです。人と議論したり交渉ごとも苦手な自分にとって、そういう作品の感想は書くのがシンドかったです。なまじ根がわりあい真面目なだけに、特に感想が浮かばないのもケーハクな気がしてツラかった。

 映画鑑賞は【趣味】として考えたとき、『時間が読める』点が良い点であり、また悪い点でもあるように思います。「2時間で終わるから今日観よ」「2時間かかるから今日はやめとこ」、どちらもよく思った1年でした。

 せっかくなので1年間で観た映画のなかから「面白かった映画」「面白すぎて衝撃だった映画」「人にお勧めしたい映画」を選んでまとめました。

 (2018/03/16 すこし編集しました)

面白かった映画8選

 

面白い順ではなく、観た順です。いまの感想なので、また年月経たら変わるかも。

 

【1】桐島、部活やめるってよ

 ひとつの時間軸を複数人で繰り返し繰り返しなぞり直す、何度も青春をやり直させられるつらみが堪えた。山本美月がすごくよかった。最後の屋上から降りてくるのが桐島だという評を見かけないのですがたぶん絶対そうだよね。


【2】第9地区

 宇宙人ずきな方にはたいへんお勧めの映画。ただ血がダメな人に勧めたら怒られたのでそこのあたりダメな方はお止めください。全然グロくはないんだけど…

 

 

【3】美しい星

 何かの雑誌のワーストに入ってたし、一緒に行った人の反応も微妙だったので評価的にはあんまりなのかも知れない。が自分はすごく好きで、宇宙好きで頓珍漢な人にお勧めしたい。


【4】エターナル・サンシャイン

 ラブロマンスを装った立派なゴリゴリSF映画。ぐいぐい引き込まれてあっという間に終わった。カラフルで美しく、特殊技術はないのに魅せる映像がすごい。

 

【5】ショーン・オブ・ザ・デッド

 ゾンビ映画への愛が溢れた映画。編集や撮り方が自分史のなかでは革新的だった。いままで観てなかったのを後悔したほど好きな映画。

 

【6】ベイビードライバー

 映画館へ2回観に行き、サントラも買った。ショーン・オブ・ザ・デッドから足を踏み入れたコルネット三部作で衝撃を受けた『音楽+動作』の編集技術が極まった映画。

 

【7】ヴィクトリア

 息を呑むとはこのことだ、と思いながら観た。138分ワンカットのためカメラマンの手が入っちゃってる箇所があるお茶目さがよい。とくに誰にもお勧めできない、が好き。

 

【8】インサイド・ヘッド

 もうこれは文句なしに面白い。悲しい気持ちになったとき思い出すだろうと思う。

 

衝撃を受けた映画7選

面白かった映画というカテゴライズとは分けたい映画です。個人的に好きな要素が濃くて我ながら闇が深い。見事に後味悪いのばかりで、人にはあまり勧められないけどすべてオールタイム・ベストに入りそうな作品。好きな順ではなく観た順です。

 

【1】セブン

 言わずもがな枠。

 

【2】ミスト

いま時点で自分のオールタイム・ベストつくったら入るだろう映画。 

 

【3】ドッグヴィル

 自分の好みの頂点に立つような、答えの出ない考え事を残された映画。

 

【4】マルホランド・ドライブ

 101本のなかで順位をつけるとしたらこれが一番になると思う。ナオミ・ワッツの素晴らしさに拍手喝采だが周囲の誰にも全くお勧めできない。

 

【5】銀河ヒッチハイク・ガイド

SFのなかだとぶっちぎりの一位。好きな物が詰まった最高傑作映画、そして唯一明るい映画だ!ソー・ロング、いままで魚をありがとう!

 

【6】幸福

 誰にも全く微塵もお勧めできないうえに更に言うと我ながら自分にもお勧めできない気がするのだがこれは順位関係なく心の衝撃度一位。DVDも購入した。

 

【7】セブンス・コンチネント

 これも全く誰にもお勧めできない。ミヒャエル・ハネケ監督作は狂ったように観てて全部衝撃で、ベニーズ・ビデオと迷ったけど、選ぶとしたらこれ。

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(おまけ)おすすめある?と聞かれたら答える映画5選

個人的な好みは置いといて、人に聞かれたら答える映画5選です。観た順です。

 

【1】ラ・ラ・ランド

みんな大好きラ・ラ・ランド。『面白い映画』にもカテゴライズしたいが、なんとなく勧めたい度のほうが高かった。面白いし、好きです。最初のロングテイクは映画館で観ると爽快!サントラも買い、2回映画館へ行った。万人にお勧めしたい。エマ・ストーンが友人にそっくりで思い入れポイント高め。

 

【2】スラムドッグ・ミリオネア

ただのクイズだろと思ってたけど、宗教観の混じった深い話。文句なしに面白いうえに最後のダンスが最高。フラッシュモブしにいくツアー組みたいです。誰か来てくれますか…

 

【3】ミッション:8ミニッツ

 万人にお勧めできる面白さ。どんなジャンルが好きでも楽しめると思う。

 

【4】インセプション

 世界中にコアなファンが多いザッツ『面白い映画』。スケールが壮大なのに本人たちは寝てるだけという点と、ディカプリオの「斉藤!」連呼が個人的に笑いのツボにジワジワ来る。

 

【5】はじまりのうた

 個人的によく知らない20代の女性に「おもしろい映画ないですか」と聞かれたらもうこれですね。ハッピーヤッピールンルンパーという感じです。

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一年分見返すの、疲れた……。ちなみに選者は30代前半の女性会社員で、人付き合いは狭く深くを好み、話すより書くのを好み、ひとりでプラプラ海外に行ってわざわざ孤独を味わうのが好きな感じの人です。

  

 見る映画を選ぶとき、最初は町山智浩さんのWOWOW映画塾を参考にしたり色んな映画ブログを参考にすることが多かったけど、最近は自分の好きな作品の監督の別の作品…、といったような選び方に変わってきた。読書と同じで面白い。

この1年間は、一ヶ月に何本観たかなーと数えるのが楽しかったので月間のまとめを書いてきたけど、これからはマイペースに「観たあと書きたくなったら書く」感じにしていきたい。映画は生活を直接的に豊かにしたりはしないけれど、映画は考え方を豊かにする、かも知んないな、という気がしている。